UV硬化、接着と安全規格IEC62471

LEDおよびランプの安全性の規格としてはIEC62471が用いられます。日本の規格ではJIS C 7550:2014がIEC62471に準拠しています。本ページではUV接着、UV硬化を安全に運用するために、これらの規格について解説します。

1. IECとは? JIS規格との違い

IECは国際電気標準会議「International Electrotechnical Commission」の頭文字をとって略しています。電気、電子に関連する規格を標準化している団体となります。日本にはこれとは別に独自の日本産業規格、JIS規格「Japan Industrial Standards」が存在します。別の団体の規格ですがJIS規格は基本的にIEC規格に準拠しています。 IEC62471に準拠しているJIS規格はJISC7550になります。

2. IEC62471のリスクグループ

IEC62471では規格化された光源の評価方法により4段階のリスクグループに分類します。分類には以下7種類の傷害リスクが用いられ、1種類でも閾値を超えると対象のリスクグループへ分類されます。

傷害リスク 記号 測定量 単位 波長範囲
目及び皮膚に対する紫外放射傷害
ES
放射照度
W・m-2
200-400
目に対する近紫外放射傷害
Euva
放射照度
W・m-2
315-400
青色光による網膜傷害
LB
放射輝度
W・m-2・sr-1
300-700
小形光源の青色光による網膜傷害
EB
放射照度
W・m-2
300-700
網膜の熱傷害
LR
放射輝度
W・m-2・sr-1
380-1400
網膜の低可視光熱傷害
LIR
放射輝度
W・m-2・sr-1
780-1400
目の赤外放射傷害
EIR
放射照度
W・m-2
780 – 3000
リスクグループ 生物学的傷害の度合い
免除グループ
何らの光生物学的傷害も起こさないもの
リスクグループ1(低危険度)
通常の行動への制約が必要となるような傷害を引き起こさないもの
リスクグループ2(中危険度)
嫌悪感及び熱的な不快感を伴う傷害を引き起こさないもの。
リスクグループ3(高危険度)
一時的または短時間の露光によっておも傷害を引き起こすもの。

3. IEC62471リスクグループに応じた警告および対策

リスクグループに属する場合は、装置製造者は使用者に警告するラベルを添付する必要があります。
弊社で取り扱うUWAVE社のUV照射器USPOTのデータシートにも以下のように警告ラベルが以下のように記載されています。

上記の黄色いラベルが製品にも貼付されます。

UV emitted from this product. Avoid eye and skin exposure.
“この製品からはUV光が放射されます。目、肌に照射が当たらないようにしてください。”

またUWAVE社では警告に伴ってUVから使用者を守るメガネやフェイスマスクなども提供しています。詳しくは以下リンク画像より製品資料にアクセスしてください。

4. 照射光自体を閉じ込めるチャンバー

UWAVE社ではUV光が外部に漏れ出さないチャンバー装置をご用意しています。チャンバーの上部にUV照射器シリーズUCUBEを設置することで内部を照射可能です。内部の複数のトレーにはUV硬化、接着の照射対象物を置くことができます。またドアを開けると光源が停止するインターロック機能も使用可能です。前面にあるタイマーで照射時間の設定も可能で窓にはUV光をカットするシールド材を採用しているため、使用者がUV光に暴露される心配がありません。

5. まとめ

UV照射器を使用する際はIEC62471もしくはJIS C7550に則って規定された安全性対策を講じる必要があります。
基本的にUV光は目に充てない、肌に充てないといったことが必須となります。
使用者をサングラスやフェイスシールド、長袖シャツなどでUV光から守ること、もしくはUV光自体を外部に露出しないように囲い込むことが必要となります
アプリケーションに合わせて、UV照射器、防護アクセサリーをご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。

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